会社の情報や提供サービスの情報を、潜在顧客に配布する簡便な方法に、自動返信メール(e-mail autoreply, e-mail autoresponder)があります。自動返信メールはメールエイリアス(E-Mail Alias)を使っています。あるメールアドレスに送信されたメールは自動返信プログラムに転送されます。自動返信メールでは返信内容としてどのような文案でも設定する事ができます。
インストール
自動返信メール(e-mail autoreply, e-mail autoresponder)のインストール。Telnet または SSH でサーバーに接続し、以下のコマンドを実行します。
% vinstall autoreply
使い方
以下の手順で、自動返信メール(e-mail autoreply, e-mail autoresponder)を作成します。
-
~/.autoreply の名称で自動返信メッセージ (顧客に返信されるメッセージ) ファイルを作成します。
作成後、サーバーにアップロードします。アップロードは本来必ず ASCII モードで行わなければなりませんが、うまく送れない場合は、BINARY モードで送信してください。送信後、cat コマンド等で改行が正しく行われているかどうかを確認してください。保存するディレクトリーはあなたのルート直下です。
<オートレスポンダー本文ファイルの編集>
あなたは、独自のオートレスポンダーメッセージ文を作成できます。これは、メールヘッダー行、本文の両方で可能です。メッセージ文を作成する時、独自のヘッダーを1行づつファイルの最初に置く事ができます。このヘッダーと本文の間に空白行を1行置いてください。ファイルの最初の空白行は本文の始まりのシグナルですので、ヘッダー部分の余計な空白行は削除してください。
以下はオートレスポンダーメッセージ文の例です。
Reply-To: sales-reply@yourdomain.com
Subject: Your Information Request
Thank you for your interest in our company.
We appreciate your consideration and ...
日本語の場合は以下のようにしてください。
MIME-Version: 1.0
Content-Type: text/plain; charset="iso-2022-jp"
Content-Transfer-Encoding: 7bit
Reply-To: sales-reply@yourdomain.com
Subject: Your Information Request
メールを頂き有難うございます。
ご質問には24時間以内に担当者からメールでご返事致します。
そしてこのファイルは "jis" で保存してください。また、Subject: 行、From: 行、Reply-To: 行に日本語を使う場合はBase64エンコードしてください。エンコードしてない場合は、文字化けすると思ってください。
Base64エンコードは Perl モジュール Jcode.pm を使って、
$header = jcode($str)->mime_decode;
のように作成できますが、メーラを使えば簡単に作成できます。
Jcode.pm については以下ページをご覧下さい。
http://openlab.ring.gr.jp/Jcode/index-j.html
-
info@YOUR-DOMAIN.NAME
に自動返信メールを設定する場合は、~/etc/aliases ファイルに以下のような追加を行います。
info: YOU@YOUR.ISP, "|/usr/bin/autoreply -f info-reply -a info"
-
etc/aliases.db
ファイル作成のために、vnewaliases コマンドを実行します。
% vnewaliases
上記の設定を行った場合、 info@YOUR-DOMAIN.NAME
がメールを受信すると、 ~/.autoreply ファイルの内容が自動返信されます。
同時に、info@YOUR-DOMAIN.NAME
が受信した全てのメールは、YOU@YOUR.ISP
にも送信されます。
YOU@YOUR.ISP
の記述をしないと、受信したメールは YOU@YOUR.ISP
に送られません。
設定
いくつかのオプション設定が可能です
-
-m
-m
オプションを使って ~/.autoreply 以外のファイルの内容を自動返信させることができます。例えば、以下のようにします。
"autoreply -m /etc/mymessage
"
ファイル指定は、Virtual Server のルートディレクトリーからのフルパス指定でなければなりません。
-
-f
-f
オプションを使って自動返信されるメールの "From:" を指定できます。 (上記の例では、自動返信されたメールの "From:" は "info-reply@YOUR-DOMAIN.NAME" になります。). ~/.autoreply ファイルで、From: ヘッダーの指定をしている場合は、-f
オプションの指定は不要です。-f
オプション指定と ~/.autoreply ファイルでの、From: ヘッダー指定の両方があった場合は、~/.autoreply ファイルでの、From: ヘッダー指定が有効となります。
-
-a
-a
オプションを使って自動返信されるメールのユーザー名を特定できます。ここで指定されるユーザー名は自動返信対象のユーザー名でなければなりません。 (上記の例では、 "info: ... -a info
").
サブホストでの自動返信設定
Virtmaps でダイレクトに自動返信を設定する事はできません。
こうした場合、 ~/etc/aliases ファイルで上記のように自動返信を設定し、virtmaps で ~/etc/aliases ファイルのユーザーにエイリアスされるように設定します。
事例:
Virtmaps (~/etc/virtmaps)
WEBMASTER@subhost-domain.name subhost
Alias (~/etc/aliases)
subhost: you@your.isp, "|/usr/bin/autoreply -f info-reply -a WEBMASTER"